樹脂サイディングが30年「塗装いらず」の秘密と費用
樹脂サイディングは、プラスチック系素材を主原料とする外壁材で、軽量で施工しやすいことに加え、耐久性や耐候性に優れている点から近年注目を集めています。
紫外線や雨風の影響を受けにくいため劣化しにくく、塗り替えなどのメンテナンス頻度を抑えながら長期間にわたって美観を維持しやすいことが大きな魅力です。
本記事では、樹脂サイディングの特徴や費用などについて解説していますので、参考にしてください。
樹脂サイディングが他の外壁材と決定的に違う点
樹脂サイディングは耐久性が高い
樹脂系サイディングは、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。
耐久性が高く凍害にも強いことから、北米では古くから高いシェアを占めていますが、日本ではまだ普及率が低く、取り扱いメーカーや施工可能な業者が限られているのが現状です。
耐久面では非常に優れており、窯業系サイディングが約7年〜8年ごと、金属系サイディングが約10年〜15年ごとにメンテナンスを必要とするのに対し、樹脂系サイディングはおよそ20年〜30年がメンテナンス周期の目安とされています。長期的に見ると、維持管理の手間を抑えやすい外壁材といえます。
素材自体に顔料が練り込んであり、時間が経過しても色褪せが起きないため、再塗装する手間がありません。
また、製品によっては目地にコーキングを施す必要がないタイプもあります。
一般的なコーキングは経年劣化によって可塑剤が流出し、ひび割れや破断、さらにはブリード現象による外観の悪化を招くことがありますが、コーキング不要の仕様であればその心配がありません。
補修の手間も軽減できるため、結果的にトータルの工事費用を抑えやすい点も魅力です。
湿気や降雨への耐性が高い
樹脂系サイディングは雨漏りに強い特性を備えており、耐久性の面で安心感があります。
樹脂素材そのものが水をほとんど吸収しないため、湿気や降雨による影響を受けにくい点が大きな特長です。
さらに、サイディング同士がしっかりとかみ合う構造で設計されているため、建物内部へ水が入り込むリスクを抑えられます。
雨の多い地域や台風、豪雨が発生しやすい環境でも性能を維持しやすいため、外壁メンテナンスの回数を抑えながら住まいの長寿命化につなげることができます。
金属系などと比べて非常に軽い
樹脂系サイディングは、金属系やセメント系の外壁材と比べて非常に軽量である点が大きな特長です。
そのため施工がしやすく、比較的短期間で工事を進められます。軽い素材であることで作業時の負担も軽減され、必要な機材や作業時間の削減にもつながります。
また、建物にかかる荷重が小さくなるため、構造全体への負担を抑えることができ、耐震性の向上にも寄与します。リフォームや外壁の張り替えを行う際にも、既存の壁や構造体への影響を最小限に抑えられるため、改修工事に適した外壁材といえます。
樹脂サイディングの費用相場と耐用年数
樹脂サイディングに張り替える際の費用相場
既存の外壁材をすべて撤去し、新たに樹脂系サイディングを取り付ける場合の費用は、㎡あたりおよそ9,000円~15,000円が目安とされています。樹脂系サイディングは主に重ね張りリフォームで採用されることが多く、最終的な金額は建物の大きさや工事内容によって変動します。
張り替え工事は外壁の状態を一新できるため、耐久性の向上が期待できます。一方で、工事期間が比較的長くなる傾向があるため、仮住まいの必要性や日常生活への影響も考慮して計画を立てることが重要です。
耐用年数は30年以上
樹脂サイディングは、一般的な外壁材のように定期的な再塗装を必要とせず、付着した汚れも水洗いで落としやすいため、維持費を抑えやすい外壁材です。
日常的な手入れが比較的簡単であることから、長期的な管理の負担を軽減できます。
主原料である塩化ビニル樹脂は紫外線や雨風に強く、変色や劣化が起こりにくい特性を持っています。そのため耐用年数はおよそ30年前後とされ、メンテナンスの頻度が少なくて済む点が大きな利点といえます。
導入前に知っておくべき3つの注意点
対応可能な業者が少ない
樹脂サイディングは、もともと北米で広く流通している外装材であるため、日本国内では施工実績を持つ業者がまだ多くありません。施工には専門的な技術や経験が求められますが、正確に対応できる職人が限られている点はデメリットといえます。
経験の浅い業者に依頼すると、施工精度が不十分となり、仕上がりや耐久性に影響が及ぶ可能性があります。
そのため、依頼前には施工実績や口コミを十分に確認し、樹脂サイディングの扱いに慣れた専門業者を選ぶことが重要です。
見積もり比較サイトなども活用しながら、内容と価格の両面で納得できる選択を行うことが望まれます。
デザインのバリエーションが少ない
日本国内では、窯業系サイディングや金属系サイディングと比べて、樹脂サイディングは製品の種類が少ない点がデメリットです。選べる色やテクスチャーが限られているため、希望どおりの外観を実現しにくい場合があります。
とくに海外風や個性的なデザインを目指す場合は、理想の仕上がりに対応できるかどうかを事前にメーカーや施工業者へ確認しておくことが大切です。
金属系サイディングに比べるとデザインの幅が狭いとされているため、外観に強いこだわりがある場合は、窯業系や金属系も含めて検討することが望ましいでしょう。
他素材より価格が比較的高い
樹脂系サイディングは、他の外壁材と比べると価格がやや高めに設定されていることが多く、特に金属系や一般的な窯業系サイディングと比較すると初期費用が高くなる傾向があります。
耐候性やメンテナンス性に優れているため長期的にはコスト面で有利になる場合もありますが、初期予算が限られている場合には慎重な検討が必要です。
さらに、施工できる業者が少ないことから価格競争が起こりにくく、費用の交渉余地が小さいケースもあります。
そのため、事前に十分な資金計画を立てることが重要です。
ただし、メンテナンス周期は約20年〜30年と長く、一度施工すれば長期間大きな手入れが不要になります。
初回の工事費用は高めでも、長い目で見ればトータルコストを抑えやすいため、決定的な欠点とは言い切れません。
準防火地域などでは制限がある
樹脂サイディングの主原料である塩化ビニル樹脂は、火や熱に弱いという印象を持っている方も多いかもしれません。
しかし、実際は、塩化ビニルは比較的燃えにくい性質を持つ素材です。直接火に触れていなければ自己消火性を発揮する特性があり、安全性にも配慮されています。
現在流通している製品の多くは、防火構造認定を取得しているため、一定の基準を満たしています。
ただし、準防火地域などで使用する場合は、外壁全体の構造が法令で定められた防火基準を満たしているか確認が必要です。不安がある場合は、施工実績のある業者に事前に相談すると安心です。
失敗しないための業者選びと相見積もりのコツ
施工実績が豊富な業者を指名する
樹脂サイディングは北米では広く使われていますが、日本国内でのシェアはわずか1%程度と非常に低いのが現状です。そのため、国内では取り扱うメーカーが少なく、施工できる業者も限られています。
耐凍害性に優れているため、北海道や秋田、新潟などの寒冷地ではリフォーム会社が施工を推奨する場合があります。
しかし、寒冷地や沿岸地域以外での施工を検討する場合は、施工可能な業者を見つけるのが難しいことがあります。
樹脂サイディングの施工実績が豊富な業者を探すには、見積もり比較サイトなどを活用して情報を集めると安心です。
メーカーが認定している施工業者が安心
樹脂サイディングを使った工事は、日本国内でのシェアがまだ低く、施工実績のある業者を見つけるのが難しい現状があります。そのため、樹脂サイディングを扱うメーカーが認定する施工業者を選ぶ方法も有効です。
国内の主要なメーカーには、「ゼオン化成」「PLY-GEM」「旭トステム外装(LIXILグループ)」などがあります。
- 「ゼオンサイディング」:樹脂加工技術に定評のあるゼオン化成が手がける樹脂系サイディング
- PLY-GEM「Mastic」シリーズ:輸入住宅や輸入建材系の業者での施工実績が豊富で、多彩なカラーバリエーションが魅力
- 旭トステム外装「WALL-Jシリーズ」:高い耐久性を備え、変色や色褪せに強い
一括見積もりサービスを活用する
業者を一社ずつ手作業で探すには時間と手間がかかります。
そのため、一括見積もりサービスを活用して効率よく業者を探す方法もおすすめです。
一括見積もりサービスを使えば、サイトから申し込みを行い、担当スタッフとやり取りするだけで複数の業者にまとめて見積もり依頼が可能です。
ただし、一括見積もりサービスの中には、審査を行わず誰でも登録できるサイトも存在します。
利用する際は、運営会社の情報や登録業者の信頼性を確認することが重要です。
また、優良業者を紹介するとうたっていても、悪質な業者に当たる可能性はゼロではありません。そのため、自分でも塗装内容や見積もりの妥当性を調べて判断することが欠かせません。
まとめ
樹脂サイディングの特徴やメリットについて解説しました。
樹脂サイディングは耐久性が高く、再塗装の手間が少ない点や湿気や水に強い点が大きなメリットです。
しかし、国内での流通量がまだ少ないため、施工実績の豊富な業者を見つけるのは難しい場合があります。
そのため、最初から樹脂サイディングに絞らず、まずは施工業者に相談して具体的な提案を受けることがおすすめです。